[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
「・・・失礼するよ」
扉が開いて、灰色の鎧の男が入ってくる。
突然姿を見せた指導者、そして友人に少々戸惑いつつも笑顔を見せる男。
彼の鎧は、重圧感のある紅色に染まっていた。
部屋の丸桶の中で、炎がめらめらと燃えさかっている。
その部屋の中もまた、廊下と同じく銀色の模様が走っていた。
「・・・とうとう、ウチのお得意さんが潰れた、とよ」
「・・・そうか」
紅の仮面から覗く黄緑色の眼が、その返答と共に炎に目を向ける。
ゆらめく炎の色は、彼自身の鎧同様に真っ赤だった。
そして彼のその目には、対照的にゆらめく赤が写っていた。
「・・・『彼ら』も巻き込んでしまったな」
「・・・すまない、とは思ってるよ」
『指導者』と呼ばれる彼の紅色の眼は、炎を見つめ続ける友から目をそらした。
そしてそのまま天井へと視線が移り、そして虚空を捉えた。
しばしの沈黙の後、彼が口を開いた。
「・・・そろそろ・・・動こうかなと思ってる」
「・・・何?」
「・・・もうこれ以上、仲間を巻き込む訳にはいかない。
・・・俺達自身が動かなきゃならないと、思い始めたんだよ」
その言葉を聞いて、紅の男は部屋の奥へと歩き出した。
炎に背を向け―――その背中を次第に友から遠ざけながら、男は言った。
「・・・そうかもしれんな。
・・・いざ動こう、友よ」
『指導者』が部屋から出て行った頃には、炎は既に残り火となってしまっていた。
静寂の空間の中で―――残り少ない命を喘ぐカゲロウの如く、か弱き音を立てて。
「陽炎」完
何か画質が荒いと思ったら、アレ本当に燃やしてませんかw?
いよいよ彼らは動くようですね。目的は何なのか。
今後どんな展開になっていくのか、凄く気になりますね。
では。
相変わらず・・・顔見せませんn(爆
こういうところが不思議な感じなんですね。こう…「沈黙」とか、「間」です。そういうのにつられるんですよ僕。そういうの僕だけだったり(ぇ
では